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贈り物。〜桜前線に乗せて〜

わたしがこの世に生まれた理由は、あなたと出会うためでした。

宇宙が存在して、銀河が存在して、地球が存在して、この国が存在して、わたしが暮らす街が存在して、あなたが暮らす街が存在して、わたしの家が存在して、あなたの家が存在して・・・。

気が遠くなりそうなほどの確立の壁を越えて、わたしたちはお互いを見つけたというわけです。

それは、わたしが愛する哲学や天文学を経て推測しようとも、到底太刀打ちできない出来事なのでしょう。

どんな偉人であろうとも、上手く説明のつかない出来事なのでしょう。

人はそれを奇跡だとか運命だとかいうけれど、わたしにはそれ以上の何か、言葉にすらできぬほどの、超越されたもののように思えてなりません。

それ故に、この感動をあなたに伝えるということが非常に難しいのです。

それ故に、わたしはこの命が果てるまであなたに尽くして行きたいと思うのです。

あなたと離れ離れになってから、二度目の春がやって来ました。

今年も桜前線は、あなたが住む街よりも先にわたしの街へと訪れます。

そこに目をつけて、わたしは去年やり忘れたことを実行に移しました。

届くといいな。届いて欲しい。いいえ、きっと届く。

その時はどうか、恥ずかしがらずに受け止めて下さいね。

春風に煽られ舞い散る花びらに、ありったけの思いを乗せて。

数週間後にあなたの街で返り咲く、わたしからの季節の贈り物。

わたしの愛するその胸に、そっと収まりますように。


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