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がたごとと二階の俺の部屋から音がする。この家にはいま。俺と、彼女しかいない。(母さんとチビ達は買い物、ここ一週間うちに泊まっているディーノさんは仕事に行っている)一体さんはなにをしているんだろう?


さーん?」

階段を上って、声をかける。けれど返事はなく、まだ音が聞こえる。

さん?」
「わっ!」

ドアをあければそこにはさんが座り込んで何かを見ていた。

「どうかしました?」
「ご免なさい。勝手なことして・・アルバムを見てたの」
「アルバム・・?」

さんの手にあるものを覗き込むと、
それは最近の写真が入ったアルバムだった。

「みんな楽しそうね・・」
「うるさいくらいなんですけどね、」
「でも好きでしょ?」
「それはもちろん、」
「いいなぁ・・あたし子供に戻りたい」
「そうですか?俺は早く大人になりたいですけど」
「ツナ君はほとんど大人じゃない」
「うーん、どうだろう・・?」
「ディーノの写真ももうあるのね、知り合ってから間もないのに!」
「あー、よく遊びに来てくれるんで」
「子供みたいね」
フフ、と微笑んで写真をみる彼女の横顔は本当に、

「そうだ、記念に写真とりませんか?」
「え、なんの記念?」
さんがうちに遊びにきた記念です」
「いいね、撮ろう!カメラある?」
「あっと・・あ、ここにあった!」

本当に綺麗で、写真に納めておきたかった。

「はい、チーズ・・!」

パシャっとフラッシュが光ってフィルムに俺達の時間が焼き付いた。

「ツーショットですね」
「ね!絶対焼き増ししてね」
「はい!」

次の日、彼女はディーノさんとイタリアに帰ってしまった。(彼らは婚約者同士なんだ。)まだまだ時間があると思っていたのに、写真はこの一枚だけ。彼女を密かに想っていた俺はこの写真を大事に大事にアルバムの中にいれた。

タイトルは好きだった人。もはや誰にも見せられない。




(さよなら、またいつか会いましょう)