2style.net

「狭いね、地球は。」

は心底、途方にくれたような顔をして呟いた。
彼女の吐き出す煙草の煙が、ツンとする。
鼻のいい俺にはきついけれど、嫌いではなかった。

うん、そうらね。
俺が言う。それから 彼女は大きな溜め息をついて、また言う。

「はやく出たい。この世界から、さ。」

うん、そうらね。繰り返すとは小さく笑い、
あんたそればっか。
小さい笑みはさらに縮んで、いまやかげりを見せていた。

「犬、あたしを連れだしてよ」

俺は 何処へ、と聞いた。
どこでもいい。あたしたちだけの世界がいい。
はやく、ここからだして。は唱えるように、言う。

大丈夫らよ。
もうすぐしたら、骸さんが創ってくれる。
うん、そうだね。はやく欲しいね。
また吐き出した煙は、俺達の檻に溜る。

煙草何本吸ってたっけな?体調、悪いくせに。
彼女は最後まで我が侭な女だった。

「出たいな、犬。早くあたしをここから連れだしてよ。」

眠るように死んだ彼女は
俺一人を残して違う世界へと旅立った。


She was getting away

(逃げたんだ、俺は。彼女の首輪から。
それは運良く?運悪く?もちろん、運悪く。)
(逃げたんだ、は。時を待てなかった。
けれど、永遠に自由な権利を授かった。)


(060409I was getting away)(1221書き直し)