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屋上の風はビュービュー吹いていて、お天気お姉さんが「まだ10月なのに、今日は12月下旬の気温です」って言っていたのを思い出した。
今でもこんなに寒いのに11月になったらどうなるんだろうか。凍えるのではないだろうか。うわぁ心配!
毎年、冬眠しなきゃ!って思うけど、今年こそ本当にしようかしら・・・。
ぎゅぅぅって自分の肩を抱きしめる。さすったりして温める。(大して効果は無いのだが)でもここにいるのは好きだから我慢するけどね!
屋上って青春ぽくって良いよね!(大人はみんな「お前ら青春してるなぁ」って言うの。子供達はまだ青春なんて分からないから
首を傾げて、"青春"ってなんだろう。って思うの。それこそが青春なのにね!でも私はそれを理解している。
だからこれは"本物の青春"なんかじゃなくて"青春っぽい"ってだけの"偽物の青春"。うわぁ哀しいね、それ!雲雀先生の言葉を借りるならワォ!)
どうしようもなくってただただ泣きたかったり 叫びだしたり 声高らかに歌いたいときには屋上に行くの。
青春っぽいから。(しつこいとか言うなよ)今日は声高らかに歌いたいな!だってね。最近、担任の先生がうるさいの。
なんでいつも真面目に授業受けないの、とか。その割には学校くるよねー、とか。一人でいるのが好きなの?俺は友達がいなきゃ嫌だったけどなぁ、とか。
って新種の人間だよなぁ、とか。ああぁ思い出したらイライラしてくる。(あぁ駄目よ、これじゃ用務員のお兄さんと一緒になっちゃう!)


「・・・ーあいしてるー」
「なんのうた、歌ってんの?」

「わぉ、先生!どうしてここに来たの、きもいですよ。」
「すぐきもいとか言うなよ・・、結構傷つくから。」
「うわあ、今のもきもい。」
「・・・。」
「んで結局何しに来たの、センセ?」
「んぁ、と話しようと思ってさ。」
「はぁ?またそれ?」
「なぁ、は好きな人とかいねぇの?」
(先生は壊れかけたフェンスにもたれ掛かるから あ、危ないな。って思ったけど、 まぁほっといておこう。


「俺は学生の時ね、好きな子を見るためだけに学校に来てた時期もあったんだよ。」
「きもー。」
「・・・・。」
「大丈夫よ先生、私生きるもの全て愛してるから。」
「え、俺も?」
「あぁー、うざーっ。」
「ハハ、でも嬉しいよ、俺は。」
「あっそ。」
「煙草吸って良い?」
「どうぞご勝手に。」
「あ、そうそう。って得意科目とかないの?好きな教科とか。」
「さぁね。」
「うーん、数学は?」
「私証明問題って嫌い、いちいちうざいから。リボーン先生のデコピン痛かったしね!」
「英語は?」
「日本人だから英語は必要ないわ。」
「んじゃあ社会科とか?」
「地形とか地方の文化とかどーでもいい。それに私、過去は振り返らないの、歴史なんてもってのほかよ!」
「・・・えーと、理科は?」
「元素記号とか笑っちゃうわ!あれなんの暗号?」
「運動神経はいい方だよね?」
「うん。大体出来るから、教わる必要なし!あと熱血教師って嫌いよ、暑苦しいんだもん。」
「家庭科は?」
「料理とかさぁ。料理は少し出来るからいい。それよりあの変人のオカマ。無理無理、あぁいうひと。
良い体ね、って言われたときは寒気がしたもの!」
「美術とかは?」
「描くのは心の中だけでいいのよ、絵とか嫌い。手が汚れるしねー!」
「保健・・は?」
「雲雀先生と六道先生、セクハラしてくるから嫌!しかも目つきがいやらしいのよね!
この前胸触られたよ!きもい!保健の先生ってみんなエロいよね!」
(・・・あいつら、俺の生徒に・・・・)
「じゃあ音楽は?」
「ヘタレに教わることなんてないし。歌うことは得意よ!先生も今聞いてたでしょ?」
「あー、じゃー国語!俺の国語!」
「・・・作文は割と好きよ。」

(そういったら先生は固まってしまって動かない、え。なんで?
煙草の灰がポロリと崩れてコンクリートの地面に散る。ちょっとだけ赤く瞬く。)


「もう、先生なんで黙ってるのよ!なんか恥ずかしい事いった?」
「いや、なんか俺・・今すっげー嬉しい・・・うっわー、すげえ嬉しい。」

沢田先生はしゃがんで煙草をぐちゃっと潰す。
顔の輪郭を、大きい手で包み込んで、また黙ってしまう。

「・・・・・・・・。」
(なんで黙るのかな・・)
「俺さぁ。」
「ん、何?」
「明日・・。」
「明日が何?」
「明日の授業、作文にしようかな・・・。」
「本当?やったぁ!じゃあ明日の授業は寝ないで頑張るよ。」
「本当は試験問題の解説しなきゃなんだけどねー。」
「ふーん。」
「・・・なぁ、お前さ。」
「うん?」
って笑顔が可愛いんだね。」
「・・え?」
「あー・・・いや、なんでもない、じゃあまた明日な!今日はもう帰れよ、暗くなるからさ!」
「え、あ、うん。」

(笑顔が、可愛い・・・)(可愛いかぁ・・)


(あー 私・・・、沢田先生好きかも・・・)(ええぇぇぇ!?)(うーん曖昧だなぁ)(うわぁなんか変な感じ!)(頬が熱いよ、どうしよう)(好きになっちゃったかも・・・好きになっちゃったよ!)




(この二つが変わりやすいって言うのは本当だね!)