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ごくり、買ったばかりのポカリを一口啜る。

今し方買ったというのに、もうペットボトルには水滴がべったり。
ジリジリ照りつく太陽が、俺の首の、真後ろを焼いていて、額にタラタラ流れる汗。
いや、それだけじゃない、全身から汗が吹き出てると思う。

そして尚、喉の渇きは一向におさまらない。
だるい夏休みの補習、今日で6日目だ。いい加減飽きるけどやっぱり行かなくちゃならない。
(はぁ、ちび達の世話の方がまだいいよ…いや、それはないか)

しかも今年はなぜか成績の良い獄寺くんが着いて来る。

いつものように恥ずかしげもなく、「十代目ー!」と叫びながら
あの十字路の右側から走り寄ってくるのだ。(あぁ、憂鬱だ……)

しかし、今日は違った。










「ツナー!」


ものすごいエンジン音轟かせ、私はバイクを運転しながらも力一杯叫んだ。
こっちを見たツナは想像していた通りの「ふげーっ!?」って顔をしていてなんだか笑っちゃう。

それからぎゅうっとブレーキを踏み込む。
バイクの、キキキキッて耳が痛くなるような音は苦手ですけど。
(でもそういう音、出してみたいお年頃!)


十字路の右側から飛び出してきたのは獄寺君ではなくだ。
しかもバイクに乗って!どどどどういうこと?!
そのうえ「ツナー!」なんて叫ぶもんだからご近所の人たちが
こちらを呆れたような顔して見てるし!
てかバイクの音でかすぎるし!

(ハァ、暑いのにつっこみすぎてまた暑くなったよ!)



「ツナ、おはよう!」

「ななななんだよそのバイク!おはよう、じゃねーよ!てかお前免許持ってないだろ!」

「雲雀さんが貸してくれたの!かっこいいでしょ。さっ、早く後ろに乗って」

「なぁ?!いや俺学校が「そんなんどうでもいいから!」

「人の話を聞けー!」

ツナの細い腕をグイって引っ張ってやると「おい!」とか口では抵抗するものの、
最後には「分かったよ」って言ってくれちゃうんだよね、ツナ君?
ほーらね、ちゃんと後ろに乗ってくれた!わたし、はりきっちゃうよー?


にんまり、そんな感じには笑う。
こいつ…!そう思うものの、やはり逆らえない俺がここにいる。(なんでだろう!)
しぶしぶ、文句をたれながらも夏那の後ろに跨った。

え?なにこれ?もしかして夏那の腰に抱きつかなきゃいけないのか?

(いくらなんでも恥ずかしいだろ)




「よっしゃ!行くよー!」

「わっお前飛ばしすぎだろ?!てゆーかどこ行くんだよ?!」







(でも海には行きたいです!ボス!)


「ッハ、ハァ」

「よっ、獄寺!お前今日も補習か?」

「るせぇ、野球バカ!十代目が拉致されたってのに!」

「へ?」

だっ!あいつがバイクで連れ去りやがった!」

「へぇ、まぁいいんじゃね?愛の逃避行ってヤツだったりしてなー。」

「なおさらよくねぇじゃねえか!十代目に何かあったらどうすんだバカ!」

「獄寺は心配性なのなー」

「うっせ!果てろドアホ!」