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あー、あぁ。すっかり遅くなっちゃったなぁ。未だに終わらない資料室の整理につきあわされて早2時間。放課後、そのくらい時間が経ってしまうと冬の季節はすぐにあたりが暗くなり始める。夏はまだまだ明るかったのに、いまじゃもう夕暮れ時だ。

「ふぅ」

あかね色の光が人のいなくなった学校を優しく照らしている。俺の腕の中、いっぱいの書類を立ち止まって持ち直すと、そこはちょうど俺のクラスの真ん前だった。

「うわ、偶然・・・あれ?」

なんとなくのぞき込んだ教室に、ぽつんと一つ、人影があった。えっと、あの席はだよな。教室にはの一人しかいなくて、なんだか淋しげな雰囲気があたりを包んでいた。そういえば6限目、、居なかったよなぁ。なのに今はなんでいるんだろ?彼女は机に突っ伏していて、見た目からは分からないけど・・具合が悪いのかもしれないし、ただ単に寝ているだけなのかもしれない。どっちにしろ、もうすぐ最終下校時間だし、体が冷えちゃうよな。声をかけようか、かけないか、頭のなかでぐるぐると考えていると携帯の着信音が鳴り出した。「・・あ」それはの手の中の携帯から流れていた。その着メロはなんていう名前か忘れたが、メジャーな曲で、何となく気に入っていた曲だったものだから耳を澄ませて聞いていた。大して離れていないところにいるし、それぐらい音は大きかったんだ。彼女は誰か待っているんだろうか?全て閉められた窓、カーテンだけ開いてる、そこから西日が射し込んでの茶色い髪はキラキラと輝いていた。って髪の毛綺麗だもんなぁ。すると、ふっと音楽が途切れた。彼女がすこし顔を上げ、電源ボタンを連打して、眉をひそめて携帯を五月蠅そうに睨んだからだ。よし、今 だ・・!


?まだ帰らないの?」


俺は女子に話しかけるのがなんとも苦手で、こういうのが精一杯だった。(ここで山本だったすぐに「具合でも悪いのか?」って聞けるんだろうけど・・・)はハっと体を起こして俺を見た、けっこう驚いてるみたい。「沢田・・?えっ、なんでいるの?」そうだよな、俺って学校終わったらすぐ帰る派だし、ってそんなことは知らないだろうけど。「あぁ・・俺はこれ、手伝わされちゃって」苦笑いしながら腕の中の大荷物を少し持ち上げると納得したみたい。「えっと・・は?誰か待ってる とか?」心なしか、、いつもより顔色が悪いように見えるんだけど・・「あ・・っと、私は・・ちょっとまだ帰れなくて」「ねぇ、どっか具合悪いんじゃない?大丈夫?保健室行く?」「ううん、大丈夫、ありがとね」「でも・・」いいの、沢田。気にしないで!そんな顔、無理してるようにしか見えないよ?俺がの顔をまじまじと見つめたからか、曖昧に目をそらされた。「あー・・・っていうかね、お腹痛くてあんまり動けないんだ・・よね。だから治まるまで、ここにいるつもりなんだ!心配してくれてアリガト!ね、ほら、沢田も仕事あるんでしょ?頑張ってね」「う、うん・・」そこまで言われちゃうとなぁ・・帰ったほうがいいのかな?確かに俺とってそんなに仲が良いわけでもないのに、変って思われてるかもな・・。じゃあせめて、この荷物が終わったら保健室からブランケットでも借りてこようか。それまで彼女がここにいれば、の話だけど。でも顔色からしてまだまだここにいそうな気がするんだよなぁ。「じゃ、じゃあ行くね」「うん、バイバイ」自分で勝手に思ってるだけだけど、なんだか後ろ髪引かれるような感じが・・するんだよな。一歩踏み出す、でもこのまま行っていいんだろうか、いやさっさと仕事終わらせて戻ってくれば良い話じゃないか・・またもぐるぐると考えている。俺にはボンゴレの超直感があるとかいうけど、こういう時役にたてばいいのに・・やっと三歩目を踏み出した時。

「あ」

消えそうなの声。すぐさま振り返るとは自分の声が出たことにびっくりしているみたい。さっきまでうつぶせになっていたのに、俺の方を向いていて、俺と目があうとじょじょに顔が赤くなっていく。(かわいいなぁ・・・は?!俺何言ってんだ気持ち悪い!いやでも今の可愛かった)気まずそうにの顔が困り顔になっていく。「あの・・・・・・・・えと、ご ごめん何でもない」またうつぶせになる。けどほっぺたがまだ赤いよ?「?」どうしたんだろ、いつも気の強い女の子ってイメージだったけど、いますっごく可愛い。(俺なに考えてるんだろう)すこし近づくと、彼女は体をすこし起こして口を開いた。



「あの、沢田。あのね」

うん?両手いっぱいの荷物を隣の机に降ろしてからの正面にたつ。「なんか矛盾してるんだけどさ・・あのね、」は俺を見上げるから上目使いになって・・い・・て・・・(どうしよ、すっげーギュってしたい)今俺のかお真っ赤になっているかも。うわぁ恥ずかしい!いいや、夕日のせいにしよう。


「ちょっとだけ そばに、居て おねがい」


そばに居て、だなんて、には滅多にないお願いの言葉だったので、思わず、「うん」
なんて返事をしてしまっている自分がいた。っていうかその顔反則だよ、その言葉も。もう俺のこと好きになっちゃうじゃん。なにこれ、なんの罠なんだ?ってそんなこと考えてる場合じゃないよな、はいま具合悪いんだし(不謹慎だよな)だから前の席の椅子に座って、そっと「手、握っていい?」と聞くと小さく小さく頷いたがどうしようもなく可愛くって綺麗な指、細っこい手をキュッと握ると、冷たい手のひらに多少ヒヤッとした。


「あ・・・ありがと、沢田」

「!」


(なんて愛しいんだろうって思っちゃった。)
(神様神様、この子のそばにいてもいいですか?)

   (1216みつき)

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素敵夢企画「最後に交わしたキスの味」様に提出!
ちなみにさんの病状は生理痛です。