絶対はなれないよ
2style.net



泣きそうだ。






じんとする眼を小さく、そっと瞑る。
瞼の奥で感動のラストとメロディがエンドレスリピートする。
彼らは結ばれることなく命を落とす、そんな恋愛映画。

誰よりも愛していたのに、幸せだったのに!
脆く儚く、崩れさった愛。
あぁ切ない!神様、この世に愛をもっともっと!


…けれど充満する夕飯のカツ丼の匂いが切ない気持ちをぶちこわし。
(その匂いに反応して鳴った私のお腹もイヤだわ!)


、犬、夕飯ですよー」
呑気な声が、更に気持ちを落ち込ませる。

「‥あー、骸のばかー!!」
ドア近くにいる骸、目掛けて本が跳ぶ。
(角が当たればいい、なんて思いながら)

「うわっ な、なんですか、人に物を投げつけるなんて!」

それを聞いて隣で号泣していた犬も参戦。

「骸さんのあんぽんたんー!」
ヒュッとリモコンが跳ぶ。

「犬まで?!」

心底ショックを受けたらしい骸は泣きそうな眼をしてる。
(反抗期の子供に「うるせえババア」って言われた母親みたい‥)
(犬はいつも骸に反抗しないからね。)
(それと相当、私が投げた本が痛かったのね。)

でもこれは、別に骸が悪いんじゃないわ。
千種でもない。だれでもないのよ。
ぶち壊したのはカツ丼とその匂い。
そんなのどうしようもないじゃない。
私たちはちょっとふざけてるだけよ。毎日、毎日!


「‥骸様、二人は放っておいて先に食べてしまいましょう。」
「そ、そうですね。、犬。あなたがたは夕飯抜きですからね」

額にぶつけた本とリモコンを持って。
ピシャリとドアを閉めて、二人は去る。


「「そ、そんなぁ…!」」

二人だけの部屋に声が木霊する。
こんな、日常。ずっと続く、日常。


(いつまでもいっしょでしょ? 1221書き直し)